人身取引とは

2003年秋以降、JNATIP設立と同じ頃から人身売買問題がメディアや政府機関の関心事となり、被害を放置する日本政府に対策を求める海外NGO/GOからの動きも続き、自体は急速に進行しています。2004年4月のメディア報道によると、法務省、警察庁、厚生労働省、外務省の局長級による「人身取引関係省庁連絡会議」が開かれ、「国際組織犯罪防止条約を補完する人身売買議定書」の早期批准を目指し、組織犯罪に対する処罰などの法改正等の検討を行い、2005年通常国会(1月~)への法案提出を目指すことを確認した、といいます。

加害者処罰は必要ですが、それだけでは人身売買被害はなくなりません。どのような法制のもとでも、一度生じた被害を完全に回復することは不可能ですから、予防が一番大切な目的となります。けれども、今すぐに全ての被害を予防することは現実的には困難です。まずは生じた被害の回復・被害者の保護が急がれる課題となります。
ただ組織犯罪の処罰強化にかたよった法改正にしてはならないと考えます。

人身売買は、国境を越えた犯罪であり、国際社会が協力して根絶する以外に対処の方法がないことは国際社会の常識となっています。
各国政府は、国際的基準に照らして人身売買の防止と被害者の保護・支援のための法制定を行ってきました。法制定はヨーロッパ諸国に続き、2000年にアメリカ、そして同じ時期にタイ、フィリピン、カンボジア、韓国などのアジア諸国でも行われています。日本もアジアの隣国と共に法制定を行うことによって責任をもって人身売買の防止と被害者の保護・支援に関する法制定を行うことが急がれます。

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日本政府は国際組織犯罪に取り組むという視点から、「人身取引」という言葉を用いています。
人身売買禁止ネットワークでは、女性や子どもの中でも、移住労働者や社会的に脆弱化させられている人々への暴力の一つとしてこの問題をとらえているので、「人身売買」という言葉を用いています。ただ、このホームページでは、上記のように政府やその他の公的機関が用いている「人身取引」という言葉に照らし合わせ、「人身取引」という言葉に統一して、表記をするようにいたします

人身売買 人身取引
2000年以前も使用されていた 2000年人身売買禁止議定書採択以降使用
歴史的に人を売買・取引した搾取を連想可能 歴史的な搾取の経緯を不問
女性の性的搾取、女性に対する暴力(VAW)を中心に言及する傾向 性的搾取だけでなく強制労働、隷属、臓器売買を含む
定義不明確。搾取的な労働や臓器売買など新たな課題をとらえきれない 国際組織犯罪と定義し犯罪対策として国際社会の協調行動とりやすい

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